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2007年07月03日

リーチってか…

オーガニックふとんでお付き合いいただいている「ハート」さんが、
原料の調達から製品仕上げまでの行程で関わりのある関係会社さんたちを集めて、
年に1回、「ハート会」なる研修会を開いている。
今年は7月6日(金)に東京で開かれる。

そこで3年ぶりに講演の依頼がきた。

3年前は、大地の基準の考え方や栽培管理システムの体系などを通じて、
トレサビリティ(追跡可能性)体制の大切さについてお話しさせていただいた。

そんな経緯もあるので、今回は何をテーマに話をしろというのだろうと、
担当に確認してもらったところ、まったく想定外の課題が突きつけられた。

リーチ法について話して欲しい。

えっ?って感じ。

ここで言う「リーチ法」とは、EUでこの6月に施行された「REACH規制」のこと。
EU内で製造・販売されるおよそ3万種におよぶ化学物質について、
安全性評価を義務付け、その情報を登録し規制する制度である。
その規制はEU域内に入ってくる製品にも共通して要求される。
日本でもEUに工業製品を輸出する企業の間で関心が高まってきている。

でもなんでハートさんが…
話をするにも、その意図とずれては申し訳ないと思い、
資料準備に入る前に山岡社長に直接電話を入れてみた。

いやぁ、ハッハッハ! びっくりしました?
特に深い理由あるわけではないんですぅ。
この間の新しい動きで、このさい勉強しておこうかと…
大地さんなら何言うても大丈夫かと、ハ~ハッハッハ~。
社員にも言うてるんですよ。
「勉強せんやつは、勉強する友達持てぇ」って。ハッハァ。
そんなことで、ま、軽くお願いしますわ。

軽く、って言われてもね。
大地だってEUに何かを輸出する事業計画があるわけでもなく、
まだあまり情報収集できてない。
というより中身そのものがまだこれから、という代物なのだ。
ただ、EUが本腰を入れて10年近くの年月をかけて作り上げてきた
化学物質の総括的規制である(そこらへんのプロセスが日本と違う)。
その意味と今後の影響くらいは考えておきたいとは思っていた。
それにこの問題の本質は、多くの企業が考えているような、
たんに「EUにどう対応するか-」ではない。

まあ、この機会だから、一応の整理をしておくか。
こういう動きにアンテナを張っている社長にも敬意を表して。

しかしどうも、うまく乗せられたフシがないとは言えない…
と独りごちつつ、本日(も?) ひとり寂しく残業なのである。

獅子ヶ鼻湿原-水と妖精の森

とんぼと田んぼの庄内ツアーから

鳥海山麓・獅子ヶ鼻湿原の湧水
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滝のような激流。この圧倒的な水量。
とてもこのすぐ奥から湧き出ているなんて、信じられない。

この水が川を形成し、また地下に染み込み、
水田地帯を潤す。

e07070301.JPG

ブナの原生林もある。
長い風雪に耐え、鬼神ここに宿る。
人はこの樹を 『ニンフの腰かけ』 と呼んだ。
ブナの腕に抱かれて眠る森の精霊を見たのだろうか。

水の源にはブナ林が似合う。特に東北では、そう思う。
“1尺のブナ1本で1反の田んぼを潤す” と言われるほどの保水力を持つブナ。

水と森に感謝する心に、妖精もその姿を現わし、微笑んでくれたのかもしれない。


※「ニンフ」とは、ギリシャ神話に出てくる森の妖精のこと。
※「一尺」=約30cm。「1反」=300坪、約10a(1,000㎡)。