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冷凍食品に誇りと信念込めて

【NEWS大地を守る9月号】めぐる冷凍食品

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ニッコーのスタッフのみなさん。左が専務取締役の山﨑隆志さん、今回お話をしてくださった販売管理課長の菊田潤哉さんは右から3人目。

冷凍食品は、いまや忙しい私たちの毎日に欠かせない必需品。安心・安全な素材を追求し、野菜まで自社で育てるこだわりの冷凍食品メーカー、ニッコー(神奈川県大和市)を訪ねました。

家庭の台所と同じ作り方で

赤いトマトがにっこり笑ったシンボルマーク。ニッコーは神奈川県大和市を拠点とする冷凍食品メーカーです。
肉団子やハンバーグなどのおかずから、お弁当用のカップ入り惣菜、肉まんやあんまんなどの饅頭類まで、幅広いラインナップが自慢。中でも「ふんわり豆腐鶏肉団子」は大地を守る会の惣菜メニューの人気上位に君臨し多くの人に愛されてきました。
取材に伺ったこの日は、「ふわふわ豆腐煮込みハンバーグ」の製造中。やわらかい口当たりとヘルシーさが嬉しい豆腐入り惣菜は、ニッコーが特に力を入れている商品の一つです。でも、なぜお豆腐なのでしょうか?実は創業者の山﨑貞雄会長はもともと熊本県のお豆腐屋さんの息子として生まれました。ニッコーを創業する前は、大手の食品メーカーで大豆の研究に取り組んでいた経験があるのだそうです。そうした経験を商品開発に生かし、1984年にニッコ
ーを創業しました。
創業当初から一貫して取り組んできたのが、〝安心・安全〞な素材を使うことです。「自分の子供に安心して食べさせられる食品をつくる」という思いのもと、原材料の野菜や食肉類は、加工の状況や主原料がわかるものを厳選しています。そして製造方法はできる限りシンプルに。家庭の台所で作るときと同じような作り方をしています。

独自の製法で加工した豆腐。これがふわふわ食感を生む。
野菜は泥つきのまま仕入れて「泥落とし機」で洗う。
キャベツの芯を落とす作業も一つずつ手作業で。やっていることは家庭の台所と同じだ。

工場の中を見せてもらうと、ちょうど豆腐を独自の製法で加工しているところでした。豆腐の口当たりを残すことで、ふわふわ食感のハンバーグになります。「使用する豆腐は、規格外のものや欠けが出てしまったものなどを豆腐メーカーから仕入れています」と説明してくれたのは、社長室販売管理課長の菊田潤哉さん。価格が安く抑えられることもありますが、何よりも、ものを大切にする姿勢を大事にしてきたそうです。
加工した豆腐を鶏肉、玉ねぎ、調味料と混ぜ合わせて成形した後は、2槽に分かれているフライヤーで揚げていきます。1度目は高温でさっと、2度目は低温でじっくり。その後、蒸して余分な油を落としてから急速冷凍します。充填するタレは、子どもも大好きな甘めでやさしい味付け。
「家庭にあるような調味料しか使っていません」と菊田さん。販売当初から変わらないレシピで作っています。

加工した豆腐とひき肉、玉ねぎ、調味料を合わせるとハンバーグのタネが完成する。
機械でハンバーグの形に成形される。
フライヤーの油の中に投入されていくハンバーグのタネ。
2度揚げを経て、こんがりきつね色になったハンバーグ。この状態で食べてもおいしいのは、素材の味が生きているから。

手抜きじゃない冷凍食品

こうして作られたおいしくて安全な冷凍食品は、朝のお弁当作りでも、帰宅が遅くなった日の夕飯でも、忙しい時にパッと食卓に出せる強い味方です。
「冷凍食品を使うことに、手を抜いているイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実はこんなに安全に追求してこだわって作っているんです。調理時間も短縮できるし、日々の食卓にぜひ役立ててほしい」
そう胸を張る菊田さんに、〝冷凍食品〞のイメージをガラリと覆される思いがしました。

麻婆茄子は、子どもも大人も大好きな一品。家族で食べられるように辛すぎない味つけにしている。

ニッコーのこだわりは、素材や調理法だけではありません。「野菜も自分たちで育て、その野菜で作った商品も提供したい」という思いで、10年前からは自社農場での栽培を始めました。
綾瀬市内(神奈川県)に8カ所の畑があり、モロヘイヤ、オクラ、ナス、長ネギ、人参、白菜を作っているほか、北海道・函館でもさつまいもやごぼうを育てています。麻婆茄子やモロヘイヤ餃子など、ナスとモロヘイヤを使用する商品は今のところすべて自社栽培でまかなっていますが、今後は農地を拡大し、もっと自社栽培で作る商品を増やしていきたいのだそう。
「今年は根っこが伸びる前に猛暑がきたので一旦へたってしまったんだけど、ここのところの雨で落ち着いてきました」
ナスを一つひとつ収穫しながら笑顔で説明してくれたのは、農場長の石井茂雄さんです。

農場長の石井茂雄さん。工場近くの自社農場で栽培しているオクラの収穫作業中。
自社農園で採れたばかりのオクラ。「大きいほうが甘みが強くておいしいし、加工もしやすい」と農場長。
こちらも自社農園で採れたナス。麻婆茄子に向いている「千両」「黒陽」などを育てている。

残渣を畑に 循環の仕組み

この畑の役割は、野菜を育てるだけではありません。
収穫した野菜は工場に運び、洗浄・皮むき・カットなどの処理がされますが、そのときに出る皮や芯などの野菜クズ、惣菜の製造過程で発生した残渣は、また畑へと運ばれます。残渣を畑で堆肥化し、肥料として使っているのです。かつてはゴミとして廃棄していたものでしたが、土に還せば畑の栄養となり、またおいしい野菜を育てることができます。
フードロスが世間で注目されるようになるずっと前から取り組んできた、循環の仕組みです。
栽培も、仕入れも、製造も、廃棄も、自分たちが納得できる方法だけを選ぶ。食品作りに対する信念とプライドが、ニッコーの事業のどの場面からも感じられます。作り手に都合のいい商品は作らない。そう断言するのは簡単でも、38年間、続けるのは並大抵のことではありません。
事務所に戻り、ふと上を見上げると、社是と経営理念を書いた書が掲げられていました。経営理念は「日に興す」。
「ニッコーという社名の元になった言葉です。日々止めることなく物事に取り組んでいこう、という意味なんです」(菊田さん)
さらにその下には「従業員と家族 お客様 社会のために」と書かれています。第一に従業員と家族のことを考える。そんな会社がいまの世の中にどれだけあるでしょうか。ページをめくって表紙の写真をもう一度見てみてください。並んだスタッフの皆さんの笑顔が、何よりの証拠だと思いませんか?

事務所に掲げられた社是と経営理念「日に興す」。

「ふわふわ豆腐煮込みハンバーグ」はこちら
「ふんわり豆腐鶏肉だんご」はこちら
「麻婆茄子」はこちら
※該当商品の取り扱いが無い場合があります。

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。