大地を守る会 企業情報[ソーシャルビジネス(社会的企業)]

100万人のキャンドルナイト

日本で世界で一番成功している草の根環境文化運動のひとつ

聞いたことありませんか。「でんきを消して、スローな夜を。」というスローガン。毎年、夏至と冬至の日夜8時から10時、でんきを一斉に消して、ろうそくを灯し、スローな時間、地球の未来に思いを馳せる時間を楽しもう、という環境文化運動が「100万人のキャンドルナイト」です。

主催者は参加する人、自宅で家族とともに食事をしたり絵本を読んだり、ひとりでキャンドルを浮かべたお風呂に入ったり、友だちと一緒に集まってコンサートなどのイベントを開いたり、と楽しみ方はいろいろ。主旨も反原発、原発推進、戦争反対、といろいろあっていい、という多様性と一体感の、自発性を重んじるムーブメントです。

もとはカナダ発、米国ブッシュ大統領の「エネルギーをどんどん使おう、原子力発電所をもっと作ろう」政策に反対して始まった電力ボイコット消灯運動でした。この運動に呼応して、アンチじゃない、日本らしいチャーミングな運動にできないかと始まった、環境NGOナマケモノ倶楽部の暗闇カフェ。

その暗闇カフェを参考に、大地を守る会も一緒に会員に呼びかけ、試しにやってみて、作文も応募して、職員に名前を募集したところ「キャンドルナイト」という名前が寄せられたことで、さらに花開いていった「100万人のキャンドルナイト」。

大地を守る会は知らないけど、100万人のキャンドルナイトなら知っている、といわれるまでに育ちました。もちろん大地を守る会だけではなく、呼びかけ人代表の方たちの粘り強い話し合いの体制やアイディアや、NGOや環境省やキャンドルホルダーと呼ばれる賛同企業のちからがあってのこの広がりですが、事務局として足場を確保してきた大地を守る会もえらかった(とちょっと自慢しちゃいます)。

多様性と一体感。そして自発性。コミュニケーションの最先端。

でんきを消して、というスローガンから、省エネやエネルギーの運動だと思われがちですが、それだけではなく、「スロー」という生き方提案であり、その入り口から続く、多様なテーマを含んでいるのが「100万人のキャンドルナイト」。

地球を環境保全型に変えていかなければならない今、もっと大量の草の根レベルの話し合いが必要で、そのための意見交換、情報交換、概念の可視化、リアリティの醸成、最新鋭のコミュニケーションが、もっとどんどん行われなければならなくて、100万人のキャンドルナイトはある意味、その最先端の実験をしているようなものでもあり、また「社会変革の希望を可視化して伝える」役割を担っているとも言えます。

具体的には1年目から、あえて「対立巻き込み型」。NGOが発信し、環境省とパートナーシップを組み、元は反原発NGOの集まりなのに、あえて電力会社にも一緒にやりましょうとお誘いをかけ、有機農業を進める大地を守る会なのに、あえて農薬を売っている農協に一緒にやりましょうとイベント出演を依頼する。どれも小さな試みですが、勇気が必要な行動です。

また100万人のキャンドルナイトのウェブサイトでは、毎年文化人類学者の竹村真一さんのチームが取り組む世界最先端の可視化技術が披露されています。特に今年(2008年)は、G8サミットが洞爺湖で行われることもあり、「希望の泉を伝えよう」という環境ジャーナリストの枝廣淳子さんのチームの力強い協力で「G8サミットは世界の声をもっと聞こう」という主旨の「20言語による世界初の電子掲示板」が立ち上がりました。アラビア語やベトナム語、ロシア語、タガログ語でメッセージが寄せられます。ぜひみなさんもご参加ください。

過去の100万人のキャンドルナイト開催実績

2007年開催実績

消灯施設数 63,138カ所
削減電力量 2,932,013kwh
環境省との連携 「ブラックイルミネーション2007」
草の根参加国・地域 大韓民国、オーストラリア、モーリシャス、台湾

2006年開催実績