大地を守る会 企業情報[ソーシャルビジネス(社会的企業)]

ゆかいな野菜物語

日本で世界で一番成功している草の根環境文化運動のひとつ

1年間に出る廃食油の量は、家庭からは10万トン、飲食店からは25~35万トンといわれています。そのうち、飲食店から出る廃食油の大部分はリサイクルに回されていますが、一方で、家庭から出る廃食油の実に9割は、そのまま捨てられているのです。
これまで大地を守る会は、環境保全と消費者の安全・安心を第一に考えたエネルギー問題への取り組みを進めてきました。特に福島第一原発事故の後は、自然エネルギーや代替エネルギーへの取り組みを強化しており、その取り組みの一つとして、2011年7月から「ゆかいな野菜物語」プロジェクトを開始しました。

黒煙は軽油の半分以下。エコでクリーンなエネルギー

ネーミングが表すとおり、油(ゆ)が回る(かい)循環型代替エネルギーの実現を目指すこのプロジェクト。キッチンから出た廃食油をバイオディーゼル燃料・VDF※に精製して生産者に提供し、そのVDFを燃料としてトラクターなどの農機具を動かします。そして、栽培された野菜が宅配会員の食卓へと戻ってくる仕組みです。これまで生協等で廃食油を回収する取り組みはありましたが、野菜の栽培・販売までをサイクルに取り込んだのは、大地を守る会が初めての試みです(大地を守る会調べ)。
廃食油から精製したVDFは、大気汚染の原因となる硫黄酸化物ゼロ、呼吸器官障害の原因といわれる黒煙は軽油の半分以下と、とてもクリーンなエネルギーです。実際にトラクターでVDFを使用している、さんぶ野菜ネットワーク(千葉県)の富谷亜喜博さんは「燃料としてのパワーは問題ない。特にハウスで使うと、排気もクリーンだし、てんぷらの香りがして心地がいい。」と評価しています。 
※VDF=Vegetable Diesel Fuel(植物性軽油代替燃料)の略

家庭からできる代替エネルギープロジェクト

プロジェクト初年度の2011年は、経済産業省の助成事業として3カ月間実施し、会員の皆さんから回収した廃食油から2,308リットルのVDFを作り、4.5トンのCO2を削減できました。家庭で未活用の資源からエネルギーを創出し、またCO2も削減できる代替エネルギープロジェクトです。みなさんも廃食油がありましたらぜひご協力ください。