大地を守る会 企業情報[ソーシャルビジネス(社会的企業)]

DAFDAF基金

平和とオリーブのための農道を

パレスチナの有機栽培農家が安心して畑仕事をできるための農道を。
世界中でがんばっている有機農業者を応援するのも、大地を守る会の役目です。

世界中の有機農業者を元気にしたい

大地を守る会のミッション。それは、日本の大地を守ること。日本の自然を守るということは、日本の一次産業、つまり農業や漁業や林業を守ることでもあります。そして、日本の生態系は世界の生態系ともつながっているので、世界の大地にも無関心でいることができません。だから日本の自然と、世界の自然を守るために、有機農業にとりくむ世界中のお百姓さんも守りたいと考えてきました。

1990年、大地を守る会は、内部に国際局をつくりました。アジアを中心にした海外の有機農業者との交流が始まり、交流先の有機農業プロジェクトなどを支援するための基金として、2006年7月にDAFDAF基金が設立されたのです。

DAFDAFは、The Development Assistance Fund of Daichi for Asian Families の略。お金やモノを送るだけではなく、それを誰が、どのように活用したかを最後まで見届ける、大地を守る会流の「顔の見える海外支援」です。

有機オリーブと和平のために農道を作ろう

世界における紛争で、もっとも根が深いといわれるパレスチナ・イスラエル問題。イスラエルは世界中のユダヤ人を募って、パレスチナ自治区内にイスラエル人の町を作る入植者政策をとっています。

イスラエルは必要に応じてパレスチナ自治区内のパレスチナ人の家や畑をブルドーザーで破壊し、新しい町や畑を作っています。パレスチナ人にとっては突然の立ち退きを強いられることになります。作業にはイスラエル軍の援護があるためパレスチナ人にはなすすべがありません。ある日突然ホームレスになってしまう現実。またイスラエルはパレスチナゲリラから自分たちを守るという名目で8メートルのコンクリートで壁を作っています。しかし現実は、パレスチナ人の土地を好き勝手に取り上げて、壁で隔てるということ。パレスチナ人にとっては自分の畑が突然壁で分断され、イスラエル軍のチェックポイントを通らなければ農作業にも出られないということが起ります。入植者から見れば、農作業に出かける農民がゲリラに見えて、銃撃を加えることもあります。

もともとパレスチナには数千年かけて作り上げたオリーブ畑がありますが、車も通れない農道しかない、という地域もありました。毎日農機具を背負って歩いていくか、ロバに乗っていくか。そんな農村に平和を願って農道が作れないだろうかと考えました。そこで、オリーブ生産者団体と話し合い、パレスチナ平和の道建設プロジェクトを立ち上げ、消費者会員から寄付を募りました。パレスチナの農民を応援しよう、苛酷な状況でも元気をだしてもらおう。ささやかなものであっても自分たちの心のこもった支援をしようと、会員の皆さんに声をかけたのです。想像を超える多くの会員の皆さんがこのプロジェクトに賛同してくれ、平和の農道を建設して贈ることができました。

パレスチナ・イスラエル紛争

パレスチナ・イスラエル紛争:1948年イスラエル建国宣言以来、それまでその地で暮らしていたパレスチナと、領土を主張するイスラエルの間で絶え間なく紛争が続いています。1993年和平合意でパレスチナ自治区が認められたあとも、パレスチナ自治区内に新たにイスラエル人の町が作られ続け、再びイスラエル軍が駐留することに。イスラエルは8メートルものコンクリートの壁を建設しパレスチナ人の隔離政策が進んでいます。

1948年 イスラエル建国宣言。紛争はじまる。
1993年 オスロー合意でパレスチナ自治区が認められる。
イスラエル軍撤退開始の一方で、イスラエルは再びパレスチナ自治区内にパレスチナ人隔離壁を建設。

プロジェクト概要

DAFDAF基金第一弾
パレスチナ オリーブ畑 平和の道建設プロジェクト

募集期間 2006年7月10日~21日
募金結果 \1,449,000 (1,487名)
プロジェクト進行状況 2007年3月工事着工、6月終了
場所 パレスチナ自治区西岸(トゥルカレム)地区クフル・ジャマル村。
村の人口3,000人。面積12,000ドゥナム。隔離壁の建設によって2,220ドゥナムが隔離され、350ドゥナムが破壊された。
道路詳細 1.3km。受益農家25軒。工事面積1000ドゥナム。オリーブ畑面積700ドゥナム。
道路詳細 1.3km。受益農家25軒。工事面積1000ドゥナム。オリーブ畑面積700ドゥナム。
協力 大地を守る会にオリーブオイルを出荷しているUAWC(パレスチナ農業開発センター)
報告 2007年11月現地視察の様子を2008年1月号だいちMAGAZINE上で報告
  • 1ドゥナム=約900平方メートル。

DAFDAF基金第二弾
ミャンマー北部有機農場 少数民族による有機農場を応援するプロジェクト

募集期間 2006年11月27日~12月1日、12月4日~8日
募金結果 \1,580,500 (1813名)
プロジェクト進行状況 2011年3月支援終了。(2007年11月~2011年3月の間、4回に分けて支援)
支援内容は、農場の作業小屋、堆肥施設、養魚池増設、豚舎、鶏舎建設、農産物の配送車(軽車両)の購入
目的 ミャンマーに住む少数民族をはじめ農民全てに農薬や化学肥料に頼らない循環型有機農法を普及させる。ミャンマーへ中国やタイから入ってくる遺伝子組み換え作物を止めるための知識共有を広める。
収支報告
ミャンマーへの直接送金が難しく、また現地の農場は個人農場の為、公正を期すため各支援ごとに現地確認を行いました。またDAFDAF基金支援先未定の準備金のうち、157,867円が上記支援第4弾の調査費として、上記掲載額とは別に使用されています。
協力 タイ北部在住ラフ族ダイエー・セイリさん、農場長ドナルドさん
報告 以下のNEWS 大地を守るで報告
2007年11月号、2008年12月号、2009年10月号、2010年11月号、2011年7月号
   
ミャンマー農場全景。左側には養魚池が広がっています。農場長のドナルドさんは経済的な自立をめざして奮闘中です。状況をみながらさらなる支援を検討中。

農家に対して豚の飼い方教室を開催(2011年)

2011年支援分で、バイクに荷台を載せたトライシクルを購入。野菜などの配送に使用されています。

2012年の新たなプロジェクトとして、地鶏の孵化に挑戦。写真はドナルドさん自作の孵卵器です。
ヒヨコを近隣の農家に配って、その鶏がヒヨコを産んだらそのヒヨコを返してもらい さらに他の農家に配ることで、地域全体が豊かになる鶏バンクを企画中。
同様に豚バンクも予定しています。(2012年3月現地にて確認)

DAFDAF基金第三弾
支援先未定の準備金プロジェクト

募集期間 2008年6月9日(月)~6月13日(金)
募金結果 1,656,000円(1643名) ※2009年4月30日現在
プロジェクト進行状況 2010年2月にネパールのNGO Love Green Nepalへ500,000円を支援金として送金、有機農業プロジェクトに使用されました。また157,867円を2011年DAFDAF基金第二弾のミャンマー農場支援の調査費用に使用しました。
目的 支援先を限定せず、必要に応じてこれまでの海外の交流先への支援を行うことを目的とした基金です。
収支報告
報告 以下のNEWS大地を守るで報告
2008年9月号、2010年3月号、2011年1月号
   
支援金は持続可能な農業プロジェクトに使用されました。
主な参加者である女性の農業生産者は、農薬に頼らない防除方法を学びました。