2008年9月 8日アーカイブ

2008年9月 8日

落ちのない日記

 

日本列島に居座った前線のせいで登山を断念させられ、

帰ってきてから一週間あまり。

上空の大気は不安定なままだとかで、ゲリラ豪雨はその後も断続的に発生して、

ようやっと落ち着いてきた感じで、少し息をつく。

 

大地を守る会の産地では幸い豪雨による一撃的な被害はなかったものの、

水浸しになった畑だと、これから病気が出たり、最悪の場合は 「全滅」 など、

恐ろしい連絡がきたりするのは、これからである。

またこの時期は、関東では秋冬作への準備が進む時でもあり、

作業の遅れはこれからの出荷計画を狂わせてゆく。

 

春の低温・日照不足、空梅雨ときて、7月は一転して高温となって、

「ベジタ (大地を守る会の野菜セット) もひと息」 とか言ってたのも束の間、

秋もまた不安先行、ビビリ気味の季節の変わり目となった。

今日の藤田社長との打ち合わせで、つい弱音を吐いている自分がいた。

「野菜の仕事って、ホントに泣けてきますね」

特に僕らの仕事は特定の生産者との契約だから、

いわば 「その畑とつき合っている」 わけで、結果はストレートに台所に届いたりする。 

だから 「その畑」 からの情報が大事になる。

 

それにしても・・・・・社長の励ましの台詞が、俺なんかと違う。

「それでも百姓は死なないからね」

 


さすが筋金入りの東北農民の血統というか出自である。

南四国の海で育った者とは根性の質が違うような気がする。

僕には絶対に吐けない言葉だ。

いや、もしかして、それ以上に、

飢えの記憶と競争をトラウマとしてきた団塊世代と、

彼らの祭り (学園紛争のこと) に遅れてきたシラケ世代の違いだろうか。

星野仙一と江川卓 (私の場合、掛布くんを採用したいが) の違い、と言うと

何とのう雰囲気が伝わるような気がしたりして。 

え? 面白い? もっといってみますか。

ガッツ石松と具志堅用高。 先代貴乃花と千代の富士。 北野たけしと明石家さんま。 

西郷輝彦に郷ひろみ。 立松和平に田中康夫。 鈴木宗男に安倍晋三さん・・・・・

このへんでやめとこうか、あとが怖い。

 

まあそんなことはともかくとして、

自然の猛威では倒されなくても、おカネで殺されるのが現代である。

とどまるところを知らない食の不祥事も、

すべては経営維持という名でのモラルの圧殺、のように思える。

ここまできたか、と何度嘆いたことだろうか。

確信犯も、とうとう事故米の食用転用というところまできてしまった。

消費者をだます前に、業界内で詐欺同様の流通がまかり通って、

鹿児島の焼酎メーカーも、関西の和菓子屋さんも、怒りが収まらないことだろう。

ただ僕の立場から納得ゆかないのは、農水省の調査である。

複数回の内部告発があったにもかかわらず、

昨年1月の調査でも見抜けず、今年8月の調査でも確認できなかったという。

どんな調査をしたのだろうか、いやそもそも 「調査」 レベルの仕事をしたのか

・・・・・分からない。

その間、汚染米が食用米として格上げされて人々の胃袋に消費された。

 

先週の金曜日 (9月5日)、千葉の農政事務所の職員の方が二人見えられ、

今年1~4月に某都内自然食品店に卸した野菜の栽培内容を確認したいという。

聞けば店頭に 「栽培期間中農薬不使用」 (無農薬栽培のこと) の表示があり、

その確かさを調べているのだと。

当社の栽培確認の履歴やデータなどをお見せして説明したところ、

納得して帰られたが、納得できないのはこっちである。

お店を回っては、有機や無農薬の表示チェックをしている職員が全国に100人近くいると聞く。

フツーに出回っている国内産の●●●は、内部告発がない限り動かないくせに。

いや、告発があってもろくな調査もできてないくせして・・・

何か、おかしくないか、ホント。

ああ、いやだ。 こっちの精神まで、ギスギスと棘が立ってくる気分である。

こういう時に、海育ちはすぐに喧嘩モードになる。

そこは、人間ができてないとか言われても、血統が違うのだ。

 

生産者の皆さん。 しんどいけど、失敗もあるけど、僕らには嘘はない。

胸だけは張って生きましょう。 

 

天候と野菜の話をしていたはずなのに......何かヘンな、オチもない話になってしまった。

そんな一日だったということで。

 



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