産地情報: 2013年4月アーカイブ

2013年4月11日

高知から、田植え順調、の便り

 

4月に入ると、南国・高知から、田植えの便りが届いてくる。

今年の高知市から南国市あたりでは、

3月の平均気温が平年より2度近く高かったようで、

降水量は半分以下、逆に日照時間は平年比113%、

観測史上最も暖かい3月だった、とのこと。

これは生産団体 「高生連」 の事務局・星川茂博さんがメールで送ってくれる

『高生連からのコメ便り』 からの情報。

 

ということは、苗の生長が早くなって、

育苗ハウスの高温対策に苦労した年だった、ということになる。

4月6~7日に日本列島を通過したモーレツ低気圧の被害も少なかったようで、

「稲刈りは順調に進んでいます」 という嬉しい知らせ。

 

4月5日、香南市の村上信一郎さん、紙マルチ田植えスタート。

苗踏み効果で苗の揃いが良い。

同じく4月5日、香南市 「福家ライスファミリー」 の寺川賢二さん、

暖かかったこともあり例年より早めに作業を進め、今日で田植えは終了。

4月8日、南国市の西村昭夫さん、6日の荒天を見越して作業を遅らせた。

今年は息子さんに田植えを任せて、悠然と見守り隊。

 

2年前の4月に届いた星川さんの便りには、たしか

「こうして普通に田植えができることの幸せを感じています」

というくだりがあった。

南四国の、とある田んぼの前で、これはとても有り難いことなんだ、

と田植え作業を見つめている青年がいた。

それくらい異常な国になってしまっていた。 今も影響は続いている。

 

いよいよ田植え前線が北上していく季節となって、

この列島の田園が輝き、農民たちの笑顔がつながっていくことを祈りたいのだが、

どうあがいても癒えることのない傷や怒りを鎮めながら、

黙々と田植えする無告の民たちがいることも、忘れないでいたい。

 

高知からの春の便りに、改めてこの2年の歳月を思ってしまうのだった。

 



2013年4月 1日

会津の堰さらい-『美味しんぼ』 に登場

 

「Daichi & keats」 日本酒セミナーで PR させてもらった

福島県喜多方市山都町での堰さらいの話が、

先週(3月25日) 発売のコミック誌 「ビッグコミック・スピリッツ」 の

長寿漫画 『美味しんぼ』 で紹介された。 

 

原作者の雁屋哲さんとは 昨年の堰さらい でお会いして、

福島を回っていると聞いていたが、

2年以上の取材を経て 「福島編 (第604話 「福島の真実」)」

の連載開始となったものだ。

それだけ慎重に、また緊張感を持ってこのテーマに挑んだということだろうか。

 

堰さらいボランティアの仕掛け人、浅見彰宏さんが

リアルに描かれている。 

e13040101.JPG

 

この漫画の特徴は、花咲アキラ氏によって

自然の風景や背景が実に精緻に描かれていることだ。

e13040102.JPG

 

福島有機農業ネットワークの活動も紹介され、

今週号では 「あいづ耕人会たべらんしょ」 のメンバー、渡部よしのさんも登場している。

原発事故から2年、さてこの 「福島の真実」編 はどう落ち着くのだろうか。

 

実は雁屋哲さんには、放射能連続講座での講演をお願いした経緯がある。

私たちはこれから福島の食や生産者との関係を

どう築き直していけばいいのか、

取材を経てお考えになっていることをお話いただけないか

とメールしたのだが、

見事に断られてしまった。

作者は、漫画という手法を通じて、いろんな考えや思いを

登場人物の口を借りて語らせるワケで、

今の段階で、作者の考えを開陳することは控えたい、と。

 

たしかに、仰る通りだと思った。

しかもお願いしたのが、これから福島編の連載を始めようという段階で、

いろんな思いがめぐっているようでもあった。

「いま話をさせると、何喋るか分かりません。 国への批判で暴走するかも・・・」

と、事務所の方も怖れていた。

 

海原雄山と山岡士郎の 「お前の根がここにある」 福島対決の結末を

楽しみにしながら、今年も堰さらいに行くことにしよう。

 - というワケで、今年も堰さらいの案内です。

関心ある方は、「続きを読む」 をクリックしてください。

 


【浅見さんからの呼びかけ】

喜多方市山都町本木および早稲谷地区は、

町の中心部から北に位置する併せて100軒足らずの小さな集落です。

周囲は飯豊山前衛の山々に囲まれ、

濃緑の森の中に民家や田畑が点在する静かなところです。

そんな山村に広がる美しい田園風景には一つの秘密があります。

それは田んぼに水を供給する水路の存在です。

水路があるからこそ、急峻な地形の中、川沿いだけでなく

山の上部にまで田んぼが拓かれ、田園風景が形造られているのです。

その水路は 「本木上堰」 と呼ばれています。

水路の開設は江戸時代中期にまで遡り、そのほとんどは当時の形、

すなわち素掘りのままの歴史ある水路です。

深い森の中を澄んだ水がさらさらと流れる様を目の当たりにすると、

先人の稲作への情熱が伝わってきます。

しかし農業後継者不足や高齢化の波がここにも押し寄せ、

人海戦術に頼らざるを得ないこの山間の水路の維持が困難な状況となっています。

そこでもっとも重労働である春の総人足 (清掃作業) の

お手伝いをしてくれる方を募集しております。

皆さん、この風景を守り続けるために是非ご協力ください。

 

【作業内容】

冬の間に水路に溜まった土砂や落ち葉をさらったり、

雪崩などによって抜けてしまった箇所の修復など。

 

【スケジュール】

5月3日(金) 夕刻 JR磐越西線山都駅集合

5月4日(土) 早朝より水路清掃作業(昼休みをはさみ夕刻まで)。

         夕刻より交流会。

5月5日(日) 午前中解散。 希望者には山都町周辺をご案内します。

 

【宿泊場所】 本木または早稲谷の集会所を予定。 連泊可能です。

【参加費用】 交通費は自己負担でお願いします。

         宿泊費は1泊 500円。 交流会費 1,000円。

【用意するもの】

作業着、軍手、長靴、雨具、帽子、タオル・洗面用具、着替え、など。

お持ちの方は寝袋を持参いただけると助かります。

 

【その他】

・ 朝食は宿泊者で作ります。お手伝いください。

・ 参加者には、秋に上堰の田んぼで獲れたお米をお届けします。

 

詳細お問い合わせは、本ブログの 「コメント」 から

メールアドレスを付けて、お送りください (問い合わせは公開されません)。

折り返しお返事を差し上げます。

 

★ この堰の保全活動には、大地を守る会オリジナル日本酒 「種蒔人」(たねまきびと)

  の売上の一部が積み立てられている 「種蒔人基金」 も応援しています。

 



大地を守る会のホームページへ
とくたろうさんブログへ