2009年2月15日

「種蒔人」新酒の完成-大和川交流会

 

昨夜未明から激しい雨が降った。

ここは2月の会津・喜多方である。

大和川酒造店・北方風土館近くの 「あづま旅館」 に宿をとったのだが、

何度も起こされるほどの雨音だったと、同宿のおじさんが語っている。

年々少なくなってゆくなぁと思っていた雪も流されて、

低い雲の下で冷たい風に埃が舞う喜多方の街並みになっていた。

これじゃ冬の会津じゃないよ・・・・・と言っても会津の人の責任ではないけど。

 

朝から飯豊(いいで) 蔵に入り、

去年から野菜セットの取り組みを始めた 「会津耕人会たべらんしょ」 の

今年の企画について、小川光さん・浅見彰宏さんと打ち合わせる。

e09021507.JPG

 

そして我らが純米酒 「種蒔人」 の絞りに入るところを拝見させていただく。

浅見彰宏さんは、けっしてただの出稼ぎなんかじゃなく、

大切な冬の吟醸酒づくりの蔵人なのであった。

e09021501.JPG


製造タンクからパイプを伝って、モロミが絞られ、日本酒になる。 

e09021518.JPG

タンクの中は、攪拌装置がついていて、2階から確認できる構造になっている。

 

モロミから絞られ、流れ出てくる新酒。

e09021502.JPG

 

ビン詰めする前の荒ばしりを飲める機会は、そうないでしょう。

今年の新種を確かめる面々。

e09021503.JPG

 

佐藤和典工場長も、みんなの反応に安心した様子。

e09021504.JPG

 

いつもは一緒におチャラけている秋田・花咲農園の戸澤藤彦さんも真面目な顔で・・・・・

e09021505.JPG

 

新潟・小千谷からこの日のために来てくれた元杜氏・阿部伊立さん(写真中央)。

e09021506.JPG

「引退してもね、この日だけは欠かせない。

 電車で行けって家族から言われちゃったけど、来たよ。」

 

見学のあと、みんなで記念撮影。

e09021508.JPG

雪がないのが、寂しいけど、仕方がない。

 

喜多方市街内の旧蔵、「北方(ほっぽう) 風土館」 に回る。

年々蔵の中の様相が新たになってゆく。 

e09021509.JPG

見学コースという範疇を超えて、多面的イベント会場の機能を備えてきている。

 

e09021510.JPG

 

見学のあとは、待ちに待った交流会。

俺たちの 「この世の天国」 体験。

e09021511.JPG

 

九代目佐藤弥右衛門を襲名した社長。

e09021512.JPG

 

「農を変えたい!福島集会」 実行委員長も務められた小林芳正さんも来てくれる。 

e09021513.JPG

 

そして原料米・美山錦の生産者、稲田稲作研究会の業師たち。

e09021514.JPG

 

このネットワークこそ、僕の誇りである。

田んぼの畦で冗談めかして語り合い、遊び心で挑んだ酒造りが、

米文化の奥深い水脈に触れることとなり、また人のつながりを与えてくれた。

事業イメージを互いに広げあいながら、僕は育てられてきた。 種蒔人に。

人を裏切るわけにいかない仁義を持ってしまうってことは、しんどいかもしれない。

でも・・・しんどい時に働ける意地を持っていることは幸いだろう。

どんな時だって、オレが先にへたるワケにいかないと思っている。

 

今回も絶妙な食材でもてなしてくれた料理人・クマさん。

e09021515.JPG

4月には東京に進出する。

その時はまた追ってお知らせさせていただきたい。

 

お酒が人をシアワセにすることは、ある。

e09021516.JPG

ただしそれには、魂が必要だ。 

 

二日酔いも楽しく、北方風土館の水を飲んで帰る。

e09021517.JPG

酒といっても、米といっても、

いのちを支える根っこは水だと思う、二日酔いの朝である。

いや、そうじゃない。

水と空気と食いもの、そして、いい仲間、だろう。

 

それをつなげられる一本の酒を世に出せた、という自負がある。

 



大地を守る会のホームページへ
とくたろうさんブログへ