2012年7月13日

ただしい食事こそ・・・ 後半戦

 

7月7日に開催した 「放射能連続講座」 第2回の後半レポート。

 

白石さんの講演の後、

コーディネーター・鈴木菜央さんの進行によるワークショップが展開された。 

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「 まずは周りの方々で4人一組になって、

 それぞれのグループで白石さんへの質問を考えてください。」

 

そんなにすぐに会話に入れるのか、少々心配していたのだが、

まったくの杞憂だったみたい。

どんどん会話が弾みだすのだった。 

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質問を紙に書いてもらって、休憩に入る。

30枚ほどの質問票が届けられ、15分の休憩タイムの間に

鈴木さんと白石さんと我々で仕分けしながら、チョイスする。 

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この作業、けっこう焦る。

ある程度の傾向を読み取りながら整理し、

それをもとに鈴木さんの司会で質疑応答となる。 

 

Q.外食する際に被ばくを少なくするための注意点があれば-

A. お店の食材のルートが分からなければチェックしようがない。

   お店の考え方や姿勢が信頼できるところを選ぶしかないのかも・・・

Q.茹で汁や煮汁を捨てた場合、 結局環境を汚染することになると思うが-

A.良心の呵責はあるが、自分の身を守ることを優先するなら、そうするしかない。

   除染に使った水なども、今はそのまま流れてしまっているのが現状。

   国の責任だが、この対策は厳しい。

Q.京都大学の小出先生が 「調理などでは減らない」 と言われたのを聞いたが-

A.いろんな分野の方が書いたり話されたりしているが、

   自身の専門分野以外のことでは あまり軽々しくコメントしない方がよい。

   食品栄養学の立場からこの研究をやってきた者として、

   「やれば効果がある。 その方法はある」 とは言っておきたい。

Q.玄米や海草など効果あるものは溜まりやすいものでもある、

   とのことだが、ではその効果とリスクをどう考えて選択すればいいのか?

A.要は程度の問題。 測定結果を見て安心できるレベルであれば

   その食品のプラス効果を期待できる。

   その意味で(選択材料としての) 表示が重要である。

   表示があれば、自分の被ばく量を計算しながら選択できる。

 

などなど・・・・

放射能という問題は、明解な回答が出せない。 悩みのようなものが多い。

より詳細を聴きたい方は、ぜひ USTREAM のアーカイブで。

http://www.daichi-m.co.jp/cp/renzokukouza/ 

 

白石さんの主張は、

1960年代から最近まで続けられていたという全都道府県での陰膳法の復活と、

全品検査体制の構築、である。

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白石さんが提唱する陰膳法については、

いまそれを説いて回っている早野さんを呼んで、次回きちんとやりたい。

また水産物や海の問題についての質問は、第4回に。

内部被ばくの問題をもっと詳しく、という要望には、第5回と第6回で。

ということでお許しを願う。

 

また白石さんが強調したことで、

アンケートには、全品検査をすぐにやってほしい、という声が多数寄せられた。

これは実は、すぐにやれることではない、ということが伝えられなかった。

 

白石さんの説明を正確に聞き取ると、

「米、水、牛乳、、、という形で、重要なものや必要なものから

 順々に全品検査をやれる体制を早く作るべきだ。」

つまり、すべてこれから、なのである。

 

全品検査ということは、出荷する段階で、あるいは入荷した段階で、

全てをベルトコンベア式に機械を通過させて短時間で測る形になるが、

それを可能にする機械が、ようやく開発されてきた段階である。

民間団体でそう簡単に配備できるものでもなく、

またどの程度の測定精度でやれるかの検証も必要である。

今の機械での 「検出限界値」 未満のレベルまで気にされる方々には、

その不安を取り除けるものには、おそらくならないと思われる。

そもそもそれだって、何でも測れるわけではない。

いま実用化されつつあるのは、

30㎏の紙袋での保管が規格化されている米だけである。

ただこれによって、基準を超えるものの 「すり抜け」 防止効果はある。

問題は、その基準が納得できるかどうか、だね。

 

質問コーナーの後はもう一度、

「みんなで今日学んだことを話し合って、シェアしてください。」

 

 

白石さんも輪に入ってくれる。

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なんか、いい感じだ。 

 

最後に数名の方に話し合ったことを発表してもらったが、

参加者同士で不安をシェアすることはできても、

決定的な  " 安心 "  にはまだつながっていかない感じである。

難しい・・・・・

 

白石さんが最後に強調する。

国がどうと言うことは言えたとしても、食に関しては、

最後の責任は自分である。 選ぶことができない子どもに対する責任は、親にある。

重たい言葉だった。

 

ワークショップは、他の方と悩みを話したり聞いたりできてとても良かった、

という声を多く頂いた半面、

慣れない人や面倒な人には不評も買ってしまったようだ。

すべての人を満足させることはできないのだろうが、

一人でも多くの人の期待を吸収できるよう、いろいろと試行していきたいと思う。

 

次回は、7月21日。

ツイッター界の大物二人、早野龍吾さん Vs.津田大介さん、です。

テーマは、「測定を市民の手に」。

まさにうまくつながったように思う。

乞う、ご期待。

 


Comment:

少しずつ、できることが増えると不安は消えていくと思います。
こういう場でそれが広まっていくといいなぁとおもいます。
えてしてなりがちなのは、不安の共有で、それだと不安は倍増し、ただ、正体のわからないものに恐れが大きくなっていくだけなんだと思いました。
正しい知識をもって、きちんと自分の行動を判断できる消費者が増える良い機会にもなっていると思います。

放射線の与えた影響はあまりに膨大ですが、必ずプラスの面もあります。こういう食に対して正しく行動できる消費者を増やす、ということもあるかもしれません。

生産者の置かれた現状を顧みつつ、自分はどうしたらいいのか、それを選択する毎日です。
答えは地道な毎日の行動の中にあると思います。
まだまだ続いていくこの影響に、身体と精神両方とも耐えうるものに育てていくしかないなぁ〜と思う毎日です!

from "てん" at 2012年7月16日 15:55

「少しずつ、できることが増えると不安は消えていく」
その通りですね。なかなかに不安は消えないようですが、引き続き積み重ねていきます。いつも有り難うございます。

from "戎谷徹也" at 2012年7月28日 17:23

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