2010年3月12日

丸の内地球環境倶楽部

 

いま、東京のど真ん中で、食と環境の議論が繰り広げられている。

しかも、かなり魅力的な人たちが集まって、

本気でこの街を変えていこうと、いろんな試行が始まっている。

エリアは大手町・丸の内・有楽町で、総称して大丸有 (だいまるゆう) という。

そのエリア内の地権者や店舗経営者、シェフたちが集まって、

「安全・安心を基本にした食の提供」 「環境と調和した食スタイルの提案」

「持続可能な街づくり」 「自給率の向上への貢献」 などのテーマに対して、

具体的にどう切り込んでいくかの議論が進んでいるのである。

 

そのネットワークと場づくりを提供しているのが、「丸の内地球環境倶楽部」 。

前にも紹介したエコッツェリアを拠点に展開されている。

 

「地球環境倶楽部」 自体は、食に関する活動だけでなく、

広く都市社会をどう持続可能なものにするか、

人々の感性を豊かに育てられる街のあり方はどうあるべきかという視点で、

いろんなイベントやセミナーを開催してきている。

食についても、すでに 「食育丸の内」 とか 「丸の内丸シェフズクラブ」 と銘打って、

レストランのシェフたちが連携して、生産者とつながって国産食材の大切さを訴えるなど

の活動を行なってきているのだが、

いよいよもって、これを本格的な都市の取り組みとして進めるための

ワーキング・グループがつくられ、

今日はその2回目のトークセッションが開かれた、という経過である。

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実は1回目のトークセッションが開かれたのが2月12日で、

僕はパネリストとして、有機農業と環境や生物多様性との関係について

話をさせていただく機会をもらった。 

また昨年の暮れには、この展開の基本コンセプトづくりの打ち合わせにも呼ばれていて、

そんな手前、このワーキング・グループにはきちんとお付き合いせねばならない、

と思い定めている。

 


1回目のテーマは、「都市が食と農に果たすべき役割ってナニ?」。

パネリストは、農林水産省大臣官房政策課長・末松広行さん、

東京農大准教授・上岡美保さん、そして私。

大丸有で、生産地や自給率向上に貢献できる仕組みができないか、

またこのエリアとして持つべき食の理念をどう築いていくかが、話された。

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(上記3枚の写真は1回目の様子。 ソニー・ミュージックコミュニケーションズの

 榎本洋子さんからご提供いただきました。)

 

そして今回の2回目のテーマは、「食と農の現場で、都市は何ができますか?」。

生産者とつながりながら 「サステナブルな食」 を築くには、

どんなアクションが必要なんだろう-。

パネリストは、新丸ビル内で生産者の顔が見える食材でレストランを運営する

「MUSMUS」オーナー・佐藤としひろさん、

千葉の農事組合法人「和郷園」代表・木内博一さん、

東京農大教授・長嶋孝行さん。

 

トークセッションでの論議は、まだイメージの域を出ないところもあるが、

これからだんだんと本論に入っていくことになるだろう。

パネリストの方々のお話も詳しく紹介したいが、書き出すと終われなくなるので、

今日のところは、東京駅周辺で、こんな動きが起きているという

" さわり " 程度の話で、お許し願いたい。 

 

何といっても、昼間の人口が24万人というビジネスセンター、

巨大な胃袋密集地が相手である。

どこからどんなふうに手をつけていくか、悩みつつも、

けっこうゾクゾクしていたりして。

 

ちなみに、「食育丸の内」 では現在、丸の内シェフズクラブのシェフ4名が

プロデュースした 「スペシャルシェフのまかないカレーライス」 というのが開催されている。

エスニック・イタリアン・フレンチ・中華のシェフが、

地元・東京野菜を使って考案したオリジナル・カレーの競演。 

場所は「丸の内カフェ ease 」。 3月26日まで。 

詳細はホームページにてご確認を。

 



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