2012年6月15日
レンコン産地を守る " 7人の侍 " に
今日は、茨城は土浦にやってきた。
大地を守る会が契約しているレンコンの生産者たちに集まってもらって、
放射能対策の会議を開く。
レンコンは田んぼでの栽培だから、当然水が入る、しかもたっぷりと。
川は山からいろんな養分を運んできてくれるが、
いま気をつけなければならないのは放射性物質の移動である。
どう推移するかは予断を許さない。
漠とした不安を抱きながら過ごすより、しっかり現実を捉えながら、
できれば先手を打ってガードしておきたい。
古くからのお付き合いである 「常総センター」 の加工施設 「北斗の会」 事務所に、
レンコン契約農家7名全員が集まってくれた。
我が方からは、これからの経過観察で協力をお願いした上田昌文さん
(NPO法人市民科学研究室代表)と、
対策資材の検討をお願いした資材メーカーの方をお連れした。
昨年の測定では、セシウムが微量ながらも検出された所と、
まったくされなかった所がある。
どうも水系や場所によって違いがある。
そこで、全員の蓮田の位置を確認し、昨年のデータを突き合わせて、
これからの継続的測定を実施する場所を検討する。
そこで土と水の状態を確かめ、入ってくる水を継続的に測定する。
またセシウムを吸着する資材を選択し、施用して、比較試験を行なう。
合い言葉は、「今年のレンコンからはゼッタイに検出させない」。
人によっては、こういう対策や測定を行なうこと自体、
まるで汚染されているみたいに映って、また風評被害を生む、
という懸念を示す生産者もいる。
しかし、現実をベールにくるんで 「安全」 を標ぼうすることはできないし、
ひとたび予想を超える事実が発覚した際に (それは想定外ではないはずだが)、
" 対策がとられていない " ということのほうがずっとヤバイ。
それは昨年の経験で痛いほど感じたはずだ。
食べる人の健康に責任を持ちたい、
そう願う生産者であれば、現実に立ち向かっていくしかない。
声をかければ、「待ってたよ~、エビスダニ君」 と言って
一斉に集まってくれる生産者を持っていることは、誇りにしたい。
「よし、やろう。 良いもんなら試してみよう。 もっとデータがほしいな」
と常総センター代表・桜井義男さんは反応し、みんなにハッパをかけてくれる。
僕も、ゼッタイに成果を上げて見せたい、と決意を新たにするのである。
この対策は、7人の農家のためだけではない。
秋になって、この一大産地に悲劇が起きてはならないのだ。
この地域を守る " 7人の侍 " になったくらいの気分でいきましょう。
人智を尽くし、胸を張って、美味しいレンコンの収穫を迎えたいと、切に思う。