2013年7月 7日

地域の自立と再生可能エネルギー

 

6月の24日だったか25日だったか、

大和川酒造・佐藤弥右衛門(やえもん) 代表から電話があって、

急きょ 会津自然エネルギー機構 主催のシンポジウムを開くことになったのだが、

ついては藤田社長にパネラーをお願いできないか、

との依頼である。

日程を聞けば、7月6日(土)。 なんと 2週間後ではないか。

「藤田さんが駄目だったら、エビちゃんでもいいよ。」

「でもいい」・・・かよ。

 

この嫌な予感はほぼ当たるだろうと思いながら、藤田に連絡する。

「もう予定が入っていて × 。 お前が代わりに行け。 以上。」

「断れ」 ではなくて 「行け」 という指示。

やっぱりね・・・

 

オレだってヒマじゃない。

7日は朝から 「稲作体験」 の草取りの日だ。

しかし抵抗の余地はない。

実行委員に頭を下げ、稲作のほうはパスさせていただく。

「(いなくても) 大丈夫で~す。 頑張ってきてくださ~い」

若手職員の台詞が力強くもあり、寂しくもあり・・・。

 

というわけで昨日(6日) は、予定を変えて喜多方に向かう。

「会津は、この手で守る!」

  - 八重に同化しちゃったオヤジたちで溢れる、いま日本で一番熱い国・会津へ。

 

シンポジウムのタイトルは

「地域の自立と再生可能エネルギー」。

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コーディネーターは、福島県立博物館館長の赤坂憲雄さん。

学習院大学教授で、「ふくしま」会議代表も務める方。

パネリストには、環境エネルギー政策研究所代表の飯田哲也さん、

国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEPFI) の

スペシャル・アドバイザー(特別顧問) 末吉竹二郎さん、

小田原で全国初といわれる、官民協働によって設立された

市民参加型エネルギー事業会社 「ほうとくエネルギー株式会社」 の志澤昌彦さん、

という錚々たる面々。

ちなみに 「ほうとく」 とは、

小田原が生んだ偉人・二宮尊徳の教えである 「報徳思想」 からきている。

「道徳なき経済は犯罪である。」

聞かせてやりたいね、どこかの国の電力会社に。

 


まず、 「一般社団法人 会津自然エネルギー機構」 の

新たな代表理事になった五十嵐乃里枝さんからの挨拶。

 

「 東日本大震災と東京電力福島第1原発の事故から 2年4ヶ月。

 地震と津波の甚大な被害から立ち直りつつある地域もありますが、

 福島県では依然として原発事故と放射能汚染の影響を受けています。

 3.11以降、多くの人が、もうこれ以上原子力発電に依存する社会はやめよう、

 と思い至りました。

 人類がコントロールすることができない危ういエネルギーの代わりに、

 身近で再生可能な自然エネルギーによる社会の構築を、この会津からはじめよう、

 という合意のもとに 「会津自然エネルギー機構 AiNEF」 は設立されました。

 

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 私たちが目指すのは、たんに電力を原子力から自然エネルギー発電に変える

 ということではありません。

 これまで原子力に依存してきたグローバル経済的な、

 搾取し搾取されるようなエネルギーのあり方を問い直し、

 エネルギーを自分たちの手に取り戻すことによって

 地域が自立していく仕組みづくりを始めようとしています。

 会津にある山と水という豊かな自然の恵みを循環させることによって

 エネルギーを手に入れ、

 地域が潤う経済活動につなげていく 「エネルギー自治」 を、

 ここ自由民権運動発祥の地・会津から始めようということです。

 

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 原発事故によって傷つけられた福島という地が再生するということは、

 傷をなかったことにするのではなく、

 また傷に絶望することでもなく、傷に正面から向き合って

 乗り越えていくことに他なりません。

 AiNEF は、エネルギー自治に向けた活動を、皆さんと共に進めていきたい。

 次代を生きる子供たちに、社会は自分たちの手で変えることができる

 という実感とともにこの地域を手渡していくことが、

 いま福島に生きる私たち大人の責務なのではないでしょうか。」

 

力強い挨拶の後、

第1部は映画 『 パワー・トゥ・ザ・ピープル  ~グローバルからローカルへ~

の上映会。

ジョン・レノンのメッセージ、 " Power To The People "  が蘇る。

1971年、レコード発売時の邦訳タイトルは  " 人々に勇気を!"  だった。

 

10年かけて自然エネルギーによる100%の電力自給を果たした

デンマークのサムソ島。

そこでは電力だけでなく、住民がお金を出し合う基金によって助け合う

新たな保険制度までつくられている。

地域でエネルギーもお金も循環する、顔の見える 「小さな社会」。

人々が活き活きと暮らす新しい経済システムへの移行、

自立型の社会建設が、いま世界のあちこちで始まっている。

勇気を持って、未来を選び取りたい。

 

すみません。 続きは明日。

曇り空の会津から帰ってくれば、東京の蒸し暑いこと。

こりゃ今日の草取り部隊はバテたに違いない。

オジサン、もしかしてラッキーだったかも。。。

 



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