2011年4月 9日
原発とめよう会の緊急講座から
「福島と北関東の農家がんばろうセット」 を企画した途端、
マスコミが殺到してきた。
風評被害から農家を守ろう、という取り組みはそれほど珍しい、ということなんだろうか。
たしかにここにきてスーパーマーケットでも
「福島応援フェア」 などが開かれたりしているが、
普通のコーナーに並べられることはない。
僕としては 「(流通OKなものは) 普通に食べようよ」 と言いたいだけなんだけど。
それよりもっと大きな方向にベクトルを向かわせたいと思うのに。
一昨日(4月7日) は、NHKさんから取材を受けた。
昨日の夕方の首都圏ニュースで3分ほど流れたようだけど、
自分は外での会議に出席していて見ることができなかった。
応援セットの主旨より放射能の自主検査について色々と聞かれてしまい、
これについてはわずかでも間違ったことをいうわけにはいかないので、
カメラの前で言葉を選んでいるうちに、自分でも緊張してくるのが分かった。
見た方からの感想は 「ちょっと元気がなかった感じ。 疲れてる?」 。
いえ、喉が渇いて、大きな声が出なくなっちゃったんですよね、トホホ。。。
でも視聴者から 「私も応援したい」 という連絡も入ったようなので、
その報告だけを記憶して、今日は寝ることとしよう。
いや、寝る前に、今日開かれた講座の報告をしておかなければならない。
大地を守る会の専門委員会 「原発とめよう会」 が開催した
緊急講座- 「福島原発とどう向き合うか」 。
場所は、新宿区早稲田にある 「戸山サンライズ」の大研修室。
講師は、原子力資料情報室共同代表の伴英幸さん。
仕事の都合でちょっと遅れて行ったところ、定員200名の席がほぼ埋まっていた。
原発をテーマにして、これだけの人が集まったのは、チェルノブィリ以来だね。
心境は複雑である。
原発事故や放射能についての解説は、原発とめよう会ブロク他の媒体に譲るとして、
取り急ぎ、誰もが気になっていることだろうと思われる疑問について、
伴さんのコメントを紹介したい。
ただ紹介するだけでは無責任なので、→ のあとにエビの見解を示します。
1.政府が出した暫定基準値は甘い。
被曝は単純な比較で終わるものでなく、足し算で考えなければならない。
被曝の影響として語られる 「ただちに健康への影響はない」 とは、
将来に影響が出る可能性があるということである。
放射能にこれ以下なら安全という量はない。
→ その通りだと思う。 だからこそ 「ただちに」 止めなければならない。
と同時に、今は危機管理体制の中にある、というのが僕の認識で、
暫定基準値は、最低ここまでのラインで行動する、という統一基準として理解している。
それをいたずらに危険だと煽ったり店頭から撤去するのは賢明な判断ではないと思う。
「この基準を恒常的なものにしてはいけない」 は、まったく同感である。
平時にあっては予防原則に則って安全性を確保する社会づくりに努める。
しかし非常時にあっては、できるだけ多くの人を救うための共通する行動原理に従って
一刻も早く事態を収束させる。 それが危機管理の鉄則じゃないだろうか。
そして、すべての不安を、「ただちに」 次の行動に結集させたいと思うのである。
僕が腹の底から願うのは 「いのちの安全保障」 ビジョンである。
2.乳幼児ではヨウ素の影響は大人に比べて10倍くらい高い。 子供は4倍くらい。
できるだけ情報を集めて、自分で判断しよう。
→ この数字の根拠までは語られなかったので、検証はできてないが、
こういう数字を示してくれると、やっぱホッとするのは消費者心理ではある。
一方で今の基準値は子供への影響も考慮したものである、という見解もあるが、
とりあえず伴さんの説明に基づいて計算するなら、
野菜類の乳幼児の暫定基準値は200ベクレルということになるか。 子供で500ベクレル?
当会で放射能汚染食品測定室に依頼したホウレンソウの比較試験で得られた結果は、
洗って約4分の1、茹でて半分。 なら葉物で400ベクレル、というのが指標になるか。
乳幼児向けだと、葉物でひっかかる場合がある、というレベルである。
真の大人なら、当たり前に食べてほしい。
気になるなら、厚生省や官公庁で日々発表されているデータをHPでチェックして
参考にしていただきたい。
じゃが芋や玉ねぎ・人参・大根といった根菜類はまず問題ない。
トマトやきゅうりなどの果菜類も大丈夫でしょう。
ちなみに、ホウレンソウなどの葉物が高く出るのは、
太陽に向かって葉っぱを広げて伸びようとしている、その生長段階のものを食べるから。
落ちてくるものを受け止める面積が広いからです。
単位重量に対して、表面積が大きいものは高く出ることになります。
そういったことも頭に入れながらいろんな野菜を判断していただけたらと思います。
ただ、この汚染が長引くと、問題は半減期の短いヨウ素ではなくセシウムになる。
大地に降ったセシウムを植物がどう吸収するか、これからいろんな情報が出てくることだろう。
私が考えるポイントは腐植や微生物の役割、つまり有機農業の力である。
生態系の力で安定させていく事こそもっとも合理的で、これこそ地球の原理だから。
これは専門化レベルの話になるが、いずれ挑戦したい。
3.子供を外で遊ばせてよいか?
雨が降ると放射性物質も一緒に落ちてくるから、当然濃度も高くなる。
濡れないように注意してあげる必要がある。
普通の日に外で遊ぶ場合は、砂場などで土や砂をいっぱい体に付着させるのは
なるべく避けたほうが良いと思うが、それ以外は神経質に考える必要はない。
部屋に閉じ込めてストレスを高めることのほうが問題だと思う。
→ 有り難うございます。 そのように伝えていきたいと思います。
他にもいくつかあるけど、取り急ぎこんなところで。
昨日キャッチした情報。
全国漁業協同組合連合会 (全漁連) の服部郁弘会長は6日午前、
都内の東京電力本社に勝俣恒久会長を訪ね、
同社が福島第1原発で高濃度放射能汚染の貯蔵スペースを確保するため
低濃度の汚染水を海に放出したことに対し、
「何の相談もせずに強行した一方的な暴挙だ。
われわれ漁業者の神経を逆なでするもので、許し難い」 と強く抗議した。
服部会長は、「国と東京電力の責任は免れない」 と強調。
政府と東電に、関係者への最大限の補償を速やかに行うよう求めた。
これに対し、勝俣会長は
「大変なご迷惑をお掛けしたことを、心から深くおわび申し上げます」 と陳謝。
汚染水の流出防止や補償の問題に 「最大限の努力をする」 と述べ、
同社として誠意を持って対応する姿勢を示した。
服部会長は東電側との会談後、記者団に
「これからはどんな説明を受けても信頼できない」 と強い不信感を表明。
福島、茨城両県以外の漁業者にも不安を広げた東電や政府の対応に怒りを示し、
今後全漁連として、全国で運転もしくは計画中の全ての原発の中止を訴えていく
考えを示した。 (4月6日12:29、時事通信発)
今日改めて確認しようとしたが、どうやら最後のセンテンスはカットされてしまったようだ。
考えさせられるね。
ここは一発、断固支持のエールを送っておきたい。
がんばれ!全漁連・服部会長!
貴重な情報ありがとうございます。
やはり長期戦になることを考えて、子どもにはなるべく放射性物質が入っていないものを用意するように頑張ろうと思います。
でも、幼稚園はまったく子どもが泥水でどろどろになることに対して、政府が何も言ってないから、と考慮してくれません。
こういうところに対して、適切な対応をお願いするのに、いい材料がないでしょうか?